青春の1ページ

青春の1ページって地球の歴史からするとどれぐらいなんでしょう。

こんばんわ。はじめです。

人は誰も、やり直せるならやり直したい過去がありますよね。

今日は僕のそんな青春の淡い思い出をご披露したいと思います。

もしもあの日に戻れたら必ず言いたい。

あれはそう、、

僕がまだ背の順で前から1、2番目しかなったことのない中学1年生のある日のことでした。。

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数学の授業中。π(パイ)を習っているときでした。

いつも楽しく授業を盛り上げてくれるS先生が僕たちに問いかけてきました。

「ちなみに、円周率を3.14以上覚えている人!」

僕は当時、無意味に30桁ぐらい覚えていたので自信満々で挙手しました。

指先までまっすぐに。

(ほかに手を挙げれるやつなんていないだろう)

そう思った僕の視界の端で誰かもう一人、スッと手を挙げました。

それは後に東京大学へ進む天才Y君でした。

彼さえいなければ学年全員の偏差値があと3ずつ高かったと言われています。

S先生はしばらく待ちましたが手が挙がったのは僕とY君の二人だけでした。

(頼む!当ててくれ!)

そう強く願う僕の祈りもむなしく先生は「Y君!」を指名しました。

(くそぉ。まぁええやろ)

「じゃあY君。円周率を覚えている限り言うてくれるか?先生黒板に書いていくわ」

Y君はスッと立ち上がり、冷静にゆっくりと数字を唱え始めました。

「3.1415926535897932384626…..」

先生はそれを黒板に板書していきます。

教室にはY君の声とコツコツコツというチョークの音だけが響いています。

やがてY君は僕の覚えていた30桁を悠然と超えていきました。

(ちっ、なかなかやるじゃないか)

Y君はまだまだ止まりません。

数字は黒板の右端いっぱいまで進んでいます。慌てた先生が止めに入りました。

「待て待てY君!一体何桁まで覚えてるねん!笑」

100桁です。

どよめく教室。赤くなる僕の顔。

Y君は暗唱の流れを途中で止められたにもかかわらず、

何事もなかったかのようにまた続きから数字を呟き始めました。

先生は右端で折り返し、今度はそのまま左へ向かってY君の呟く数字を書いていきます。

もはや合ってるかどうかなんて誰にもわかりません。

でもきっと合っているんだろうと誰もが疑わないあの空気。

完敗でした。

(あんなにピンと手を挙げなければ良かった。)

やがてY君は覚えていた100桁を言い終えた雰囲気を出しました。

拍手喝采。教室中が大盛り上がりでした。

その拍手が鳴りやんだ頃、何を思ったか先生は僕に振り向きこう言いました。

「素晴らしい!では続きをⅠ君!(←僕)」

(やめてくれー。。)

僕は恥ずかしそうに立ち上がり、

「わかりません。」

とハニカミながら答え着席しました。

少しウケたのを覚えています。

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そのあとの授業のことはあまり覚えていませんが、

それからも何事もなく楽しい中学生活は続きました。

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僕がやり直したいのはこの最後の「わかりません。」です。

これはS先生がくれた最高のパスだったことに授業中に気が付きました。

僕はなんでも良いから数字の羅列を答えておけば良かったのです。

「素晴らしい!では続きをⅠ君!」

のあと、恥ずかしそうに立ち上がり、

「えーー、35758279…」

と答えていたら、S先生が

「ほんまかいなー!」

と元気よくツッコみ、

教室が割れんばかりの、3年生も何事かと驚くぐらいの、職員室でも話題になるぐらいの大爆笑が巻き起こっていたはず。

あとは触るだけの絶好のパスをもらっておきながら

ハニカミわかりません、は先生も大いにがっかりしたことと思います。

もし過去に戻ってやり直せるなら中学1年生のあの日に戻って

なんでも良いから適当な数字を言いたいです。

僕の人生を一生かけても超えられないような大きな大きな笑いを取れていたに違いない。

しかも何の苦労もせずに。絶好パスに触るだけ。

のちに東京大学に進学するY君の100桁円周率をフリに使うという伝説は

同窓会の度に語られていたことでしょう。

先生ごめんなさい。

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書いているだけでまた悔しくなってきました。

同じシチュエーションはもう二度とやってきません。

探偵ナイトスクープに再現を依頼しようかとさえ思ったことがある、

けど誰にも話したことがない、

僕の青春の淡い1ページでした。

毎週ブログを続けるとこんなテーマにたどり着くんですね。

みなさんもやり直したい過去がありましたら飲みながらこっそり教えて下さい。

それではまた来週!

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